仕事や日常でミスを減らすためには「忘れないように注意する」のではなく、「忘れっぽい自分をカバーする」ことが重要です。
そして、その理由に短い記憶を留めておくワーキングメモリが関わるという話を別記事でさせていただきました。
今回は、そのワーキングメモリとは具体的にどんなものなのかを簡単に触れていきます。
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ワーキングメモリとは
- 認知心理学という学問の中で扱われる言葉です。
- 記憶をいくつかに分類した中の一つになります。
- 短期記憶というもの中の一つで、作業記憶とも呼ばれます。
ワーキングメモリの性質
貯蔵できる量
とても小さく、せいぜい7つ前後のことしか意識できないと言われています。
最近の研究ではもっと少なく、4つ前後という説もあるほどです。
メモリー量は増やせない
ここがポイントです。
様々な研究がされているようで、今回私が参照した本の中にも「使うことで発達はする」という記載があったものもありました。
しかし、2015年のT・Pアロウェイらが書いた著書によると、こう結論づけられています。
残念ながらワーキングメモリトレーニングが、実験室課題を超えて、たとえば、学業成績や日常生活の課題にまで効果があると報告した研究は今のところまだない
『ワーキングメモリと日常』
T・Pアロウェイ、R・G・アロウェイ編著
「ワーキングメモリを鍛える!」と聞くと向上心に溢れた良い響きではあるかもしれません。
しかし、現実としてメモリー量は増やせないことを知っておく必要があります。
記憶を留めておける時間
短期記憶なので、数秒~数分と短いです。
ワーキングメモリを消費するもの
ワーキングメモリは拡張すること、増やすことはできないことがわかりましたね。
ではその逆の視点で、「メモリの中を占めているもの、特に、無駄に使っているもの」を認識することが重要になります。
なぜなら、それらに対処することがワーキングメモリの有効活用に直接つながるからです。
ワーキングメモリの無駄遣いするものは抽象的にいうと「気を散らすもの」になります。
具体的に見ていきましょう。
スマホ
気を散らすものとしてスマホは代表的なものです。
スマホが人を引きつける力はすごいですよね。
- 勉強していると気がついたらスマホを触っていた
- 布団に入っても、スマホをイジる癖がついてしまっている
あらゆるシーンで行動を制限してきます。
他にもスマホが机の上にあるだけで、頭の働きが低下するという実験結果もあるので恐ろしいです。
少しだけコラム
もはやスマホと生きていると言っても過言ではない、現代人の生活です。
小さな子供も、電車で使っているところをよく見ますが、親もその子供もスマートフォンのこういった危険性の1つがあることをしっているでしょうか?
もし知らないのだとしたら、その子供は「集中力がない」「ミスが全然減らない」と悩んでしまうかもしれません。
そして、小さな頃についた「スマホをいじる」という習慣はなかなか抜け出せないでしょう。
身近なものが知らないうちに体だけでなく、人生にまで悪影響を及ぼすのは少し悲しくないでしょうか。
多くの時間を一緒に過ごすスマホが、実は有害な側面があるということは、誰しも知らなければならないことでしょう。
メールやSNS、ニュース
これらのことをチェックしようとしたり、見たくなったりした時でもワーキングメモリを消費します。
ストレス
人がストレスを受けたり、プレッシャーにさらされることで、ワーキングメモリを圧迫することがわかっています。
また、不安、後悔といった感情も有害な思い込みにつながり、おんなじことが起きるとされます。
まとめ
ワーキングメモリの性質と下げるものについて、手短にですがまとめてみました。
小さく、かといって広げることもできない、ワーキングメモリは容量の少ないUSBのような存在ですね。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
今回は以上です。
参考
・『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』
発行2019年、著者 宇都出 雅巳(トレスペクト研究所代表、東京大学経済学部卒)
・『「無敵」のマインドセット 心のブレーキを外せば、「苦手」が「得意」に変わる』
著者 鹿田 昌美 他