仕事の数十分の昼休憩、ぼくはほぼ毎回コーヒーを飲みます。
手にとったコーヒーをみて、ふと自分がスターバックスによく行くことが浮かびました。
思えば、いつからか世に広がっていて、自分もよく通っていたスターバックス。
スターバックスはご存知の通り、コーヒーのチェーン店として世界で最も有名かつ人気な店の一つですし、かくいうぼくも大好きです。
ただぼくはコーヒーをよく飲みますが、特段スターバックスの味に強いこだわりがあるわけではありません。
それでもなぜか立ち寄りたくなってしまう魅力がスターバックスにはあります。
店自体がおしゃれであることは言うまでもありませんが、他のコーヒーチェーン店と比較してこれまた特別おしゃれっていうわけでもない気がします。
自分を含め、人はなぜスターバックスにいくのでしょうか。その魅力を生み出しているものを知れたらと思い、こちらの本を読んでみました。
著者紹介:ハワード・ビーハー
◼︎セールス&オペレーション担当上級副社長、スターバックス・インターナショナル社長、スターバックス・ノースアメリカ社長ほか要職を歴任。
◼︎スターバックス取締役経験もあり。
エグゼクティブとは企業における上位管理職のことを言います。この場合のシニアとは年配という意味ではなく、「上級」という意味です。
この本ではハワードがスターバックスを育て上げ、運営してきた中で身につけ、守り続けている原則が10か条としてまとめられていました。
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自分に正直になることーかぶる帽子をひとつにする
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なぜこの会社で働くのかー出世のためにではなく、正しいことのために行動すること
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自分の頭で考えるー掃除をする人がほうきを選ぶべきだ
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信頼を築くー心から思いやる
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真実に耳を澄ますー壁は語る
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責任をもつー真実でなければ嘘だと見抜かれる
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行動するー行動的に考え、思慮深く行動せよ
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困難に立ち向かうーなによりも人を中心に考える
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リーダーシップを発揮するー大きな雑音と静かな声
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大きな夢を持つー「イエス」は世界一パワフルな言葉
これらの原則についてハワードは自分の理念や経験をもとに各項目ごとに情熱的に語っています。
なんだかこう並べてみると「これコーヒー関係あるの?」って思ってしまいますが
作中ハワードはこう強調しています。
「私たちはコーヒーを売っているのではなく、コーヒーを通して人を喜ばせる仕事をしているのだ」
「スターバックスが人と人との架け橋になることである」
「スターバックスでは、大きな志を持ち、周囲に影響を与え、私たちの価値観と使命を共有してくれるパートナーを採用することに情熱を傾けている」
こうしてみるとハワードの基本的な理念は客に手渡すコーヒーそのものに主眼を置いているのではなく、あくまでコーヒーを通して人を喜ばせる仕事をしていることが主体であり、そういった方針に基づいた組織構成を行なっていることがわかります。
それに加えて「3. 自分の頭で考える」では
「スターバックスでは全てのパートナーが現場で臨機応変に決定を下せるような独立性重視の企業文化を形作るように努めている」
と述べており、ハワード自身が
「私はおよそルールには我慢ならない」
「物事がルールにしばられるとパートナーからうれしい驚きを受けることなく、さらにお互いを信頼しなくなる」
といったマニュアルを嫌っていることや、経営陣やマネージャーだけに限らない現場の人間の自主性も尊重していたことがわかります。
たしかにスターバックスにいって不快な気分にあったことはほとんどないですね(というかない)。
むしろ快適でいつまでもいられるような印象さえありますし、働いてる店員も活気があって、なんとなく楽しそうですよね。
これはスターバックスの個々を尊重する姿勢が店員一人一人に反映されていて、だからこそ楽しく仕事を続けているのかもしれないですね。
他にも、ハワードが職場や妻の前、友人の前、置かれた状況に違う誰かを喜ばせるためにそれぞれ別の人間の「ふり」をして結局は精神的に参ってしまった失敗談や
「スターバックスでは、お金よりもなによりも、人を大切に考える。」という内容が繰り返されていることからもハワードの思いやりや人間味が強く描かれています。
ちょっと暑苦しいところもあるけど、こんな人が上司だったら乗っかっていってみたらおもしろそう?なんてことも思ってしまいました。
まとめ
今までなにげなく訪れてしまっていたスターバックスですが、この会社はハワードの、ひとえに人を愛し、喜んでもらいたいと言う情熱的で献身的な理念に基づいており、この店に人が足を踏み入れてしまう魅力の背景として十分に納得がいくものでした。
これからも是非このままのスターバックスであってほしいですね。